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ヘナカラーってなに?白髪染め以外にどんな効果があるの?[オーガニックサロンの美容師が教えるヘナカラーの効果!]
ヘナカラーってなに?どんな効果があるの?
近年ナチュラル思考の流行に伴い、オーガニックコスメや、オーガニックの食べ物などを取り入れている方も増えてきました。
ヘアカラーでも、オーガニックカラーや自然由来の成分を多く含んだカラー剤がたくさん出てきています。
今回はIPMヘナカラーという自然由来の成分が100%のヘナカラーについて説明していきます。
ハリコシが出る効果や、トリートメント効果があるといわれているヘナカラーですがどんな植物のどんな効果なのか気になるところを解説していきます。
ヘナカラーの様々な効果を知れば、あなたもヘナカラーをしたくなるかもしれません!
目次
ヘナカラーとは?
ヘナカラーは安全なカラーリング剤というだけではありません。
インドの伝承医学(アーユルヴェーダ)では薬草としての長い歴史があります。
日本人の体質、日本の風土・気候に合わせた使い方をすることで素晴らしい家庭療法として活用できるのです。
ヘナカラーのお話をする上で欠かせないことが「経皮吸収」です。
人間の体が物質を体内に取り込む経路は3つあります。
飲食物を口から取り入れる「経口吸収」、呼吸によって取り入れる「経気道吸収」、そして皮膚から吸収する「経皮吸収」です。
虫刺されの薬を塗ると刺された跡が治ったり、化粧水を塗るとお肌がしっとりするのが「経皮吸収」で有効成分が皮膚から吸収されています。
経皮吸収により体に入ってしまう有害な物質の事を「経皮毒」と言います。
経皮吸収による吸収率は体の部位によって異なります。
例えば二の腕の内側の吸収率を1とした場合
・かかと0.14倍
・手のひら0.83倍
・頭皮3.5倍
・脇3.7倍
・額6倍
・頬、顎13倍
・背中17倍
・デリケートゾーン42倍 です。
ヘナカラーは経皮吸収を利用して体の中に良い成分を届けます。
頭皮の毛穴は大きく、数も多いため腕より3.5倍の吸収率で皮膚に入り込みます。
ヘナカラーは4種類の粉をブレンドして染めていきます。
リーフヘナ、インディゴ、スパイスアーマラキー、ハーバルブレンドの4種類です。
一つ一つの効果を見ていきます。
ヘナカラー効果①【リーフヘナの効果】
IPMヘナカラー、リーフヘナの成分「ヘナ」はミソハギ科の植物です。
幸運を呼ぶハーブとも呼ばれています。
染料として使用されるのは葉で、乾燥させたものにローソニアアルバという赤い色素があります。
ローソニアアルバはタンパク質に絡みつく性質があるため、自然の染料としては最も落ちにくいといわれています。
また、主に下記のような効果もあります。
■髪のタンパク質を修復する効果と髪のコルテックス内にある水分を逃がさない効果。
■また毛穴の奥まできれいにする効果があると言われており、脱毛予防や育毛促進の効果も期待できる。
■体に溜まったストレスや余分なものをきれいにする効果。
■ナフトキノンという成分も含まれており、女性ホルモンのバランスをよくする効果が期待できる。
また、ヘナの葉には人の本来持っている生命力に働きかける効果があります。
紫外線を吸収し頭皮の劣化を防ぐ効果もあるため、ヘアトリートメントにも使用されます。
ヘナにはカラーリング効果もあります。
黒い髪の毛を明るくすることはできませんが白髪をオレンジ色に染めることができます。
頭皮に色が付きにくいため普通の白髪染めで頭皮が黒く色付くようなことはありません。
色もちもよく、刺激臭がないためカラーの臭いが苦手な人にもおすすめです。
ヘナカラー効果②【インディゴの効果】
ヘナカラーのインディゴに配合されている「ナンバンアイ葉」は、インドを産地とするマメ科に属する植物です。
インディゴは青色の色素をもっているので、オレンジの色素をもつヘナの補色になるため、その2色を混ぜるとブラウンやブラックに近い色になります。
インディゴは空気中の酸素に触れ酸化することで色が変化していきます。
最初は、緑→紫→藍と徐々にその色が変化するため、2回染の洗髪直後は、イメージしたような色にならない場合がありますが、時間経過とともにその色は変化していきます。
インド医療では、インディゴは髪の発達を促進させる効果のある薬と言われています。
また、予防性、解毒性、治療的な効果も持つと言われています。
病気の治療に用いられており、
喘息、動悸、狂犬病、腎臓疾患、肺疾患、百日咳、膀胱結石、癲癇、口腔潰瘍、口唇の蒼白、疥癬、潰瘍症、気管支炎、神経障害に効果があると言われています。
ヘナカラー効果③【スパイスアーマラキーの効果】
アーマラキーとは「アムラ」と呼ばれる植物です。
アムラは若返りのハーブとも呼ばれており、頭皮の若返りの効果があります。
更に下記のような効果と特徴があります。
■ヘナの赤みを抑え、色の発色と安定を助ける効果がある。
■髪の成長サイクルを乱す酵素の働きを阻害する効果があるため髪の成長を促し、白髪や脱毛を抑制する効果もありシャンプー、リンスとしても使用できる。
■アムラは乾燥した後も有効成分の減少が少なく長期保存できるため、一年を通して利用される。
■熱に強く壊れにくいビタミンCが非常に豊富に含まれているため若々しさを保つ効果に優れている。
■アムラのビタミンCはレモンの10倍含まれており、そのため顔にパックすると美白効果がある。
■ポリフェノール、ペクチン(食物繊維)、鉄分などミネラルも多く含み、外用薬としてのみならず内服することで体の抵抗力、免疫力を増強させる効果がある。
■ポリフェノールは赤ワインの10倍。
■肝機能障害、便秘、糖尿病、貧血、喘息、眼病などの改善に役立つ。
■アムラのポリフェノールは線維芽細胞に働きかけることで、体内でコラーゲンを作る力を高める効果がある。
■若々しく弾力のある肌にしてくれる。
■吸収される過程で血管を拡張させる作用のある成分にかわり、血流を改善させる効果もある。
ヘナカラー効果④【ハーバルブレンドの効果】
ハーバルブレンドにはインド伝承医学に基づいた相乗効果の高い7種類のハーブをブレンドしています。
①ヘナ(ヘナカラー ヘナの効果にて説明)
②アムラ(ヘナカラー アーマラキーの効果にて説明)
③バラエキス
バラエキスにはポリフェノールが含まれており抗酸化力が高くアンチエイジングに効果的です。
ビタミンCも多く含んでおり、色素の沈着を予防する効果、体内でのコラーゲンの合成、ニキビの改善、毛穴の引き締めなどの美肌効果がたくさんあります。
バラエキスには女性ホルモンを整える効果もあります。
④アカシアコンシナ果実
シカカイやソープポットとも呼ばれる中央インド原産の植物で、現在もインドではアーユルヴェーダやシャンプーに用いられているハーブです。
フケ予防効果、頭皮と毛穴を洗浄する効果があります。
アカシアコンシナ果実に含まれるサポニンという成分に洗浄効果があります。
サポニンは植物の根、葉、茎などに広く含まれている配糖体の一種です。
水に溶けると石けんのような発泡作用、殺菌、抗菌作用を持っており昔から石けんなどに使用されていました。
また、洗浄作用だけでなく、髪をしなやかに仕上げるトリートメント効果も高いと言われる成分でもあります。
⑤ツボクサ葉エキス
ツボクサはセリ科の植物でツボクサの葉から得られるエキスです。
心を落ち着かせる効果があります。
インドでは皮膚、神経、血液の代謝機能の改善に効果があると考えられています。
⑥アルニカ
中央アジアの山岳地帯に自生するキク科の黄色い花です。体のめぐりや流れを整える目的でブレンドされています。
アルニカは古くから打撲、打身の皮膚組織の再生に有効と言われてきました。18世紀にはすでに痛風、リウマチ、静脈瘤などの治療に用いられています。現在では消毒作用、血行促進効果、鎮痛効果、治癒力の促進などのさまざまな作用があると判明しています。
⑦ビャクダンエキス
ビャクダンはサンダルウッドとも呼ばれている、常緑の高木です。
サンダルウッドは精神に働きかける効果があり、頭痛や不眠症などの神経系の興奮を落ち着かせます。
体への効果もあり、冷やす効果とうっ滞を改善する働きがあります。
下痢や膀胱炎といった腸や泌尿、生殖器系の熱性の不調に効果的です。
膀胱炎などの泌尿器系の感染症にも良く、呼吸器系の炎症や痰、喉の傷みにも効果があります。
ヘナカラー【ワンタッチの仕方】
ワンタッチとは一回の工程で行うヘナカラーです。
白髪は完全には染まりませんがオレンジ〜ベージュのような色味に染まります。
黒髪と白髪のコントラストが減るため白髪が馴染みます。
[用意するもの]
・リーフヘナ
・インディゴ
・ハーバルブレンド
・スパイスアーマラキー
・美らさーやな
・計量スプーン
・お湯
・ボウル
・泡立て器
・汚れても良いタオル、服
・ハケ(シェーカーボトル)
・シャワーキャップ
[ワンタッチのブレンド]
ワンタッチでは4種類のヘナカラーをブランドして行います。
基本のブレンド、明るめのブレンド、暗めのブレンドにブレンドしていきます。
ご自分で好きな色味に調節できるのもヘナカラーの魅力ですね!
【基本のブレンド】
基本のブレンドではオレンジ味の強いブラウンに染まります。
リーフヘナ 大さじ2杯
インディゴ 大さじ2杯
スパイスアーマラキー 大さじ1杯
ハーバルブレンド 大さじ1杯
【明るめのブレンド】
明るめのブレンドはリーフヘナの分量を多くするため、基本のブレンドより明るくよりビビッドなオレンジになります。しっかりオレンジに発色させたい方におすすめのブレンドです。
リーフヘナ 大さじ3杯
インディゴ 大さじ1杯
スパイスアーマラキー 大さじ1杯
ハーバルブレンド 大さじ1杯
【暗めのブレンド】
暗めのブレンドではインディゴの量を多くします。インディゴは藍色の染料が多く含まれています。ヘナの量が減り、インディゴが多くなることでオレンジの色味が弱くなり、ベージュのような薄めの茶色に染まります。オレンジに発色するのが苦手な方、白髪を少し馴染ませたい方におすすめのブレンドです。
リーフヘナ 大さじ1杯
インディゴ 大さじ3杯
スパイスアーマラキー 大さじ1杯
ハーバルブレンド 大さじ1杯
[手順]
①シャンプーする
ヘナカラーはスタイリング剤や汚れが付いていると染まりにくいためしっかり洗います。トリートメントはつけません。水気はしっかり拭き取っておきます。
②美らさーやなオイルで頭皮をマッサージする
美らさーやなで頭皮と髪に潤いを与えます。
③ヘナカラーを混ぜる
基本のブレンド、明るめのブレンド、暗めのブレンドをお好みで混ぜます。
よく粉を混ぜてから40度から45度くらいのたっぷりのお湯で混ぜます。泡立て器で混ぜた時にゆるいマヨネーズくらいの柔らかさがベストです。
④頭皮、髪に塗る
頭頂部からハケで塗っていきます。ハケが塗りにくい場合ははちみつの入れ物のようなシェーカーに入れて頭皮に直接つけていく方法もあります。
⑤頭をタオルで包む
乾くと流しにくいのと、密閉しておいた方が染まりが良いためしっかり包みます。
そのため、保湿、保温できるシャワーキャップをかぶります。
⑥時間を置く
ヘナカラーワンタッチの待ち時間は初回20分です。慣れてきたら30分〜1時間置きます。
冷えをとり、血流をよくすることでヘナカラーの効果が高くなるため、足湯やお風呂に浸かって待つのもOKです。
お風呂に浸かる場合は待ち時間は15分までです。
⑦流す
シャンプーを使わずに流します。ヘナカラーが落ちてしまうため使いません。色の定着をよくするため2日間はお湯だけで流すのがベストです。
ヘナカラー【ツータッチの仕方】
ツータッチは特に白髪が気になる方へ向けたヘナカラーの使い方です。二回の行程で染めていきます。
時間はかかりますが、リーフヘナのオレンジの色味とインディゴの藍色の補色の効果を使用して、茶色〜ナチュラルな黒まで染めることが可能です。
[用意するもの]
ワンタッチと同じ
[手順]
①シャンプーする
②美らさーやなオイルで頭皮をマッサージする
③一回目のヘナカラーを混ぜる
一回目のブレンドを作ります。
リーフヘナ 大さじ4杯
スパイスアーマラキー 大さじ1杯
の分量で混ぜます。
④一回目を塗る
⑤タオルで包む
⑥時間を置く
シャワーキャップをかぶり20〜30分待ちます。しっかり染めたい方は30分待ちます。
⑦流す
一回目を流すと驚くほどオレンジ色に染まります。二回目のインディゴでオレンジ色を抑えます。
⑧二回目のブレンドを混ぜる
二回目はインディゴの量を多くします。
インディゴ大さじ 4杯
リーフヘナ 小さじ1杯
ハーバルブレンド 小さじ1杯
の分量で混ぜます。
インディゴは熱に弱いためぬるま湯で溶きます。
⑨二回目を塗る
⑩時間を置く
二回目の待ち時間で色の仕上がりが変わります。
ライトブラウン 20分
ナチュラルブラウン 30分
ダークブラウン 40分
したいお色味に合わせて待ちます。
時間を置いて流します。
この時もシャンプーは使わずに流します。
ヘナカラー【その他の使い方】
ヘナカラーは頭皮と髪のヘアパックだけでなく様々な使い方があります。
成分の効果で説明したように、肌への効果や毒素排出など沢山の効果がありますので紹介していきます。
[足湯]
お風呂より温かいお湯に、リーフヘナ小さじ1杯、インディゴ小さじ1杯、ハーバルブレンド小さじ1杯を混ぜます。
足首より8センチ以上、上になる量のお湯を入れます。ヘナカラーをしている間につかると発色に効果が期待できます。
[シャンプーリンス]
リーフヘナ・インディゴ・ハーバルブレンド小さじ1杯、スパイスアーマラキー大さじ1杯をまぜ頭皮にすり込ませて2〜3分放置。そのあと流します。
頭皮の洗浄効果もあるのでスッキリきれいになります。
[足裏パック]
リーフヘナ・ハーバルブレンド小さじ1杯をお味噌ぐらいの硬さに溶きます。
サランラップかビニールで覆い靴下を履きます。30分置いて流します。
ヘナカラーのトリートメント効果でガサガサかかとに潤いを与えます。
[ヨーグルトパック]
スパイスアーマラキー小さじ1杯、プレーンヨーグルト大さじ2杯、美らさーやな2、3滴をノーメイクの肌にぬります。
2、3分放置して流します。アーマラキー(アムラ)のビタミンC、ポリフェノールの効果でツルツルに!
ヘナカラー【デメリット】
ここまでヘナカラーのさまざまな良い効果を説明してきましたがデメリットもあります。
・時間がかかる!
ツータッチでしっかり染めるとなると全部で2時間〜3時間はかかります。
IPMヘナカラーは自然成分100%の中では高品質で新鮮なため置く時間が短いですが普通の白髪染めに比べると時間がかかってしまいます。
忙しい方や時間が取れない方には毎月することを考えると負担になるかもしれません。
・好きな髪色にできない!
ヘナカラーはブレンドを決めて色味を決めることはできますが、オレンジ〜ブラウンの限られた色の中での調整です。
また、ヘナカラーは髪の毛の明るさを明るくすることはできません。
明るめのヘアカラーを楽しみたい方にはヘナカラーは不向きです。
またヘナカラーは回数を重ねるほどコーティングしていきます。
次に明るくしたい時にブリーチをしてもアルカリカラーできれいな色を入れてもヘナのオレンジが残ります。
明るくしたい気持ちがある方にはおすすめできません。
・草の匂いがきつい
ヘナカラーは自然の匂いです。
アルカリカラーの特有のツンとしたら匂いはしませんが、植物の匂いがしっかりします。
置き時間がしっかり長いため匂いも感じます。苦手な方が家でする場合は窓を開けて換気するなど工夫が必要です。
また、ヘナカラーは流す時にシャンプーをしません。
さらに、色もちを良くするには二日間シャンプーもしないほうが良いとすすめています。
そのため数日間ヘナカラーの匂いが残ります。
・ゴワゴワする
ヘナカラーはトリートメント効果や、ハリコシのでる効果がありますがずっとアルカリカラーをされていた方やシリコンの入っているシャンプーをずっと使われている方が急にヘナカラーに変えるときしみを感じます。
原因はヘナカラーによってシリコン系のコーティング剤が剥がれ落ち、素髪に戻るのですが、一時的に仕上がりが悪く感じると言われています。
二回目、三回目とヘナカラーを重ねていくときしみもマシになり仕上がりが向上して感じられます。
最低でも三回は試して見ることをお勧めします。
・アレルギーがまれにある
ヘナカラーはインドなどで古くから使用されてきたものですが、頭髪用化粧品には「お肌に合わない時はご使用をおやめください」「使用前に必ずパッチテストを行なってください」と記載しなければならないことになっています。
天然成分とはいえ日本にはない植物であり、アレルギーの可能性はほとんどないといわれていますが、まれにかゆみや炎症を起こすことがあります。
また染毛料のヘンナ(ヘナ)には、100%と書かれていてもジアミンなどが数%含まれていることがあり、それにかぶれることがありますので、染毛料として使用する場合は特に信頼のおけるメーカーのものを使用しましょう。
IPMヘナカラーはジアミンなどのアレルギー物質は含まれておりません。
ヘナカラーまとめ
オーガニックや、健康に関心が高まっている昨今ですが頭皮や髪の毛のケアは見落とされがちです。
頭皮は健康面で重要なポイントになります。
そのため、安全で安心な頭皮ケア、ヘアケアが必要になってきます。
IPMヘナカラーはエコサートとUSDA organic認証を受けています。
ヘナカラーは髪、頭皮、身体、さらに心の環境も整えてくれるので、ヘナカラーを白髪染めに使うのはもちろん、色々な使い方でオーガニックライフを楽しみましょう。
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